レジオネラ症防止対策について
「新版レジオネラ症防止指針」より
レジオネラ属菌とは?
レジオネラ属菌は自然界の土壌や淡水に生息している菌です。冷却塔水などの循環している人工的な水に混入すると増殖することが分かっています。
レジオネラ症とは?
レジオネラ属菌によっておこる感染症をレジオネラ症(在郷軍人病)と言います。
次の2種類の病型あります。
- レジオネラ肺炎(肺炎型)・・・・・・・多臓器障害を伴う間質性肺炎
- ポンティアック熱(非肺炎型)・・・インフルエンザ様の熱性疾患(自然治癒型)
日和見感染症ですので,高齢者,アルコール中毒者,ヘビースモーカー,免疫能低下者等の抵抗力の弱い人が感染しやすいと言えます。
感染源は?
人工水は,レジオネラ属菌の増殖に適した条件がそろい易いため,感染源として重要視されています。
人工水には次のものがあります。
これらの設備を適正に管理することが,レジオネラ症の予防には必要不可欠です。
■冷却塔の管理について
冷却塔は屋外に設置され,外気に開放されていますので,構造的にレジオネラ属菌が入り込みやすくなっています。
★管理のポイント・・・(1)定期的な清掃(物理的清掃)を行うとともに(2)化学的洗浄と殺菌剤添加とを併用する。
<冷却塔管理のフロー>
| 使用開始時 |
化学的洗浄 |
| シーズン中 |
冷却水の薬剤処理
定期清掃(毎月1回程度の物理的洗浄)
定期点検(毎月1回程度)
レジオネラ属菌検査
★102CFU/100ml以上が検出された場合には、直ちに清掃、消毒などの対策を講ずる。
★対策実施後は、菌数が検出限界以下(10CFU/100ml未満)であることを確認する。 |
| 使用終了時 |
化学的洗浄 |
■循環式浴槽の管理について
家庭用24時間風呂を使用している皆さんへ
お風呂は体をきれいにしたり、一日の疲れを取る上で日常生活に不可欠の設備として、昔から親しまれております。
最近、いつでも好きなときに入浴できる便利な24時間風呂が家庭に普及していますが、正しい管理がなされないと、レジオネラ属菌等の病原菌により健康を害するおそれがあることが問題になっています。エアロゾルが感染源です。レジオネラ属菌に汚染された目に見えないほどの細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染します。ジャグジーなどではエアロゾルが発生するので、注意しなければなりません。感染症はレジオネラ症と呼ばれています。人から人へは感染しません。
健康被害防止のため次の点に注意して利用してください。
- 入浴前によく体を洗って下さい。
- 浴槽水をシャワーに使用しないで下さい。
- 定期的にヘアーキャッチャー(プレフィルター)の洗浄をしてください。
- 浴槽水の入れ替えは、週1回以上が望ましいです。
- 浴槽水の入れ替え時には浴槽をよく洗い、塩素系の消毒薬等で消毒して下さい。なお、ろ過器の材質により適正な消毒剤及び濃度が異なりますので事前 にメーカーに確認してください。
- 定期的に濾過器、殺菌消毒装置等の設備点検を専門の業者に依頼して下さい。
- 定期的に配管の洗浄、消毒をして下さい。
- 細かい気泡が発生する装置(ジェットバス等)の使用は、浴槽水でレジオネラ属菌が繁殖した場合、レジオネラ症感染の危険性を高めますので維持管理に十分ご注意ください。
以上の他、メーカーの取扱い説明書に従い、適正に管理して下さい。
■給湯設備について
給湯水におけるレジオネラ汚染は湯温の高低が大きな要因であるほか,湯が貯湯槽や給湯配管内で滞留することによっても発生すると考えられます。したがって,瞬間式給湯水では起こりにくいのですが,貯湯式や配管網が複雑で行き止まり管などが多い循環式給湯水は,レジオネラ汚染が起こりやすくなっています。
★管理のポイント
(1)給湯温度の適切な管理
- 給湯設備内のいずれの部位の給湯栓類においても,湯温を55℃以上保持する。
(2)給湯設備内における給湯水の停滞防止
- 貯湯槽が2基以上ある場合は,適正な換水回数となるように運転台数を調整する。
- 使用しない貯湯槽の水は抜いておく。休止していた貯湯槽を使用する場合は,清掃を行い,55℃の設定 貯湯温度に一定時間(2時間程度)以上保持してから使用する。
- 貯湯槽が2基以上並列設置されている場合は,各装置から給湯水が均等に出るように流量弁を調節する。
- 予備の給湯ポンプが2台以上設置されている場合は,各ポンプが均等に稼働するように交互運転とする。
- 系統が複数ある場合には,各系統に給湯水が均等に循環するように,流量弁を調節する。
- 貯湯槽のドレン管から定期的に(1週間に1回程度)底部の滞留水を排水する。
- 膨張水槽および膨張管内の水は滞留しやすいので定期的に換水する。
(3)給湯設備の清掃
- 貯湯槽のほかに,膨張水槽もレジオネラ属菌の進入経路となる可能性があるので,清掃を実施する。(1年に1回以上)
- 給湯配管は,レジオネラ属菌が検出された場合には,配管全体について管洗浄を実施する。
- 循環ポンプや弁類は,分解・清掃を実施する。(1年に1回以上)
- シャワーヘッドや給湯栓等の管末器具類は,常時空気に触れており,微生物に汚染される機会も多いので,分解清掃を実施する。(1年に1回以上)
- シャワーヘッドは,定期的に70℃程度に昇温してフラッシングを実施する。
(1ヶ月に1回以上)(フラッシング:洗い流して洗浄する方法)
■加湿器の管理について
- 加湿方式の違いにより,レジオネラ症を発生する可能性のあるものとそうでないものとがあります。
- 次の2つの機種については,水タンクがあり,エアロゾルを拡散しますので,レジオネラ症発生の原因となることがあります。
- 超音波式 回転霧化・遠心噴霧方式
- ※特に家庭用の超音波加湿器が以下の理由から危険性が高いと考えられます。
- タンク内の汚染が起こりやすい。
- 長期間水を貯めたまま放置される可能性が高い。
- タンク内面に形成される生物膜もそのまま長時間保持される。
★管理のポイント・・・(1)タンクの内面を絶えず洗浄して清潔にしておく。(2)長期間使用しない場合は,タンク内の水を捨てる。
