ワルファリン(殺鼠剤)

誤食誤飲の場合の措置


[概要]抗凝血作用性殺そ剤。ワルファリンを0.025〜1%(0.025〜0.05%のもが多い)含有する。

弊社取り扱い商品(施工用剤含む。)
商品名 調合前含有量 調合後標準含有量 法規制 主用途
イラジケイトA 0.025% 医薬部外品 一般小売品(80g×2袋入り)
原末ユーコークマリン2号 1% 0.025% 医薬部外品 食品衛生・環境衛生施工用
メリーネコクマリン 1% 0.05% 農薬 貯穀倉庫施工用
チューモアブロック 0.1% 医薬部外品 食品衛生・環境衛生施工用

[毒性] ワルファリン

ヒト経口致死量: 5〜20mg/日以上を3〜5 日間以上毎日摂取した時1)
  6667μg/kg2)
   
ヒト経口最小中毒量: ♂10.2mg/kg)(中毒作用:出血)2)
  ♀15mg/kg/21W-1(中毒作用:小腸からの出血または潰瘍)2)
   
ラット経口LD50: 1600μg/kg2)

[症状]

 一般に中毒作用はかなり大量の摂取か長期にわたる摂取のときに起こる3)
 主な症状はプロトロンビン時間(PT)の延長と出血傾向で、歯肉出血、鼻出血、関節腔出血、皮下出血班。出血が持続すると出血性貧血、より重度になると出血性ショックから死亡3)


[処置]

家庭で可能な処置 小児の誤飲(少量で単回の摂取)では、家庭でそのまま様子をみる
医療機関での処置 小児の誤飲では一般的に治療の必要はない。

大量服用の場合は基本的処置(催吐・胃洗浄のあと吸着剤と塩類下剤の投与)

ただし、抗凝固剤の投与を受けている患者では、催吐・胃洗浄は血管損傷や出血のためできるだけ避ける。

出血傾向の場合、ビタミンK110mg(小児1〜5mg)を筋注か皮下注。ただし、抗凝固剤の投与を受けている患者では、生命に危険がない限りビタミンK を投与しない。生命に危険がある場合は、1〜5mg を静注。出血が著明な場合は新鮮血または新鮮凍結血漿投与、交換輸血を考慮3)


[受診時の確認事項]

 @商品、成分組成:殺そ剤には、クマリン系、黄リン、モノフルオル酢酸、シリロシド、硫酸タリウム、リン化亜鉛等種々の成分がある。商品名からその成分および含有量を確認

 A摂取量:なめた程度か、食べてしまっているのか。吐物に殺そ剤が含まれていたのか


[情報提供時の要点]

 @なめた程度なら心配なし

 Aワルファリンとして0.5mg/kg(0.025%の製剤として2g/kgに相当。0.05%の製剤として1g/kgに相当。)以上服用していれば、すぐに受診を指示。
(受診指示の目安としては、体重50kgの人では、0.025%の製剤として100g、0.05%の製剤として50g/kgに相当。体重10kgの小児では、0.025%の製剤として20g、0.05%の製剤として10gに相当。参考として、通常の場合の、殺鼠剤の1箇所の設置量、または1包装の量は、80g〜120g程度であるので、皿に盛った殺鼠剤1箇所分の半分量を誤飲・誤食した場合に、受診の必要があるといえる。)

 B致死量を一度に服用することは、殺そ剤に含有されている抗凝血薬の量を考慮すると一般に起こりにくい6)


[体内動態]

 吸収:消化管から完全に(100%)吸収。経皮吸収もされ、繰り返しの皮膚接触のよる重篤な中毒例あり

 分布:血中アルブミンとの結合性が高く(蛋白結合率99%)、血中に多く分布し、次いで肝、肺、心、腎等の組織に分布

 排泄:未変化体での腎への排泄は1%以下、半減期は健康なボランティアに治療量投与時36時間、2000mg 摂取後の成人で21.7 時間。腸肝循環する3)


[中毒学的薬理作用]

 抗凝固作用:ビタミンK 依存性凝固因子(U、Z、\、])の肝生合成を阻害、毛細血管損傷作用3,4,5)


[治療上の注意点]

 @ビタミンK の投与:血栓形成を防ぐ必要のある患者で抗凝固剤の投与をうけている場合、血栓形成のおそれがあり要注意6)

 A抗凝固剤の作用は、消炎鎮痛剤(サリチル酸誘導体、フェニルブタゾン、メフェナム酸等)、シメチジン、三環系抗うつ剤などにより増強されるので、患者の服用している薬を調べて対処する必要あり7)

 Bプロトロンビン時間の測定は、中毒の重篤度の判定に重要な指標となる。中毒量でのプロトロンビン時間(PT)の延長は24 時間以内に現われ、36〜72 時間がピーク3)


[商品名](太字は、弊社取扱商品)

安全ネコイラズ

イカリネオラッテ、イチコロイチ、イラジケイトA、イラジケイトS

強力クマトールZ、強力クマラット1 号、 強力クマラン顆粒「0.1%」、強力クマリンラット固型、強力コロソ、強力ティラット末、強力デスモア固型、 強力ネズダイ、強力ネズミコーンRS、強力ネズミドロップ、強力ノーモア、強力ノーモア「シード入」、 強力ラットライス、強力ローダン

クマラン末1%、クマリンラット1%粉剤

原末強力チューモア、原末チューモア、 原末ユーコークマリン1 号、原末ユーコークマリン2 号

固型安全ネコイラズ、固型安全ネコイラズS、固形安全 ラット、固型キルラット、固型チューモア1 号、固型チューモア2 号、固型ティラット、固形ラテミン

サンケイクマリン、 サンケイクマリン3 号、サンケイクマリン20、サンパー5、サンパー10、サンパー50

集団安猫、新ラットル

水溶性ラテ ミン錠

チュートラップライス、チューモアS、チューモアコンク、チューモアブロック、チューライス、チューレス、チューレス赤、チューレスC-10、チューレススーパー末、チューレスブロック

ティラット錠、ティラット末、デッドコロン

ドラG、トルペットコンク、トルペットコンクB、

ネオメッソA、ネオメッソクマリン、ネオメッソ固型クマリン、ネズダイコール、ネズミコーンRS、鼠とりサンパー・1.0、 鼠とりサンパー・5.0、鼠とりサンパー・D、鼠とりバルサンP10、鼠とりバルサンブロックA、ネズレスH、 ネのライス

濃厚メリーネコ3 号

ピラコン

フジクマリンS、フジクマリン末、粉末キルラット、粉末ラテミン

マルカデート

メリーネコPC、メリーネコ3 号、メリーネコ100 号、メリーネコクマリン

ヤソール、ヤソミン、ヤソミン1

ラチコーンA、 ラッテ・スローバッグ、ラットラーメン、ラットン顆粒、ラテミンS、ラテミンコンク

粒状クマリン

ローダン


[参考文献]

1)Noji,E.K. et al:Manual of Toxicologic Emergencies(1989)

2)RTECS(1994)  

3)Poisindex(1988,1994)  

4)Clinical Toxicology of Commercial Products(1984)  

5)Medical Toxicology:Diagnosis and Treatment of Human Poisoning (1988)  

6)救急中毒マニュアル(1984)

7)グッドマン・ギルマン薬理書(1992)


この資料は、情報提供のために作成されたものであって、いかなる保証もなすものではありません。この資料に基づいた処置によって生じた損害については、いっさい保証いたしません。

作成日 2005.11.11 作成者 (株)サニーサニター

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